ＡＢＣ検診

　ＡＢＣ検診を行っています。ご予約が必要です。

胃がん検診としては、バリウムを飲んで台の上で体を傾け、エックス線で胃を透視する検診が多く実施されています。宇都宮市では胃がん検診としてこのバリウム法に加え、内視鏡による検診も行われています。当院は鼻からの内視鏡により胃がん検診を行っています。
　胃がん検診の新しい方法としてＡＢＣ検診があげられます。ＡＢＣ検診とはヘリコバクター・ピロリ菌感染を示す抗体の有無と、ペプシノーゲンの量を調べて個人の胃がんのリスクを判定する検診です。胃がんになりやすい胃であるかどうか知ることができる検査です。
　ABC検診結果で異常のある方につきましては胃内視鏡検査を受けられることをお勧めします。
　なお、このABC検診はあくまでも無症状の方を対象にしており胃がんがどうか診断するものではありません。

検診の方法について

問診表への記載
診察
現在の治療内容の確認など
採血
　　ヘリコバクター・ピロリ菌抗体
　　ペプシノーゲンI/ ペプシノーゲンII

　腹部痛や胸やけなどの「おなかの症状」がある方は、診察をお受け下さい。また下記に該当する方はこの検査の対象にはなりませんのでご注意ください。

胃潰瘍などで現在治療中の方。
胃を切除された方。
腎不全（クレアチニン値　３ｍｇ／ｄＬ以上）の方。
ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌を以前されたことのある方。

ピロリ菌抗体とペプシノゲン検査によるABCD分類について　

ＡＢＣＤ分類と胃がん検診の効率化について

	A　群	B　群	C　群	D　群
ヘリコバクター・ピロリ菌抗体検査	陰　性	陽　性	陽　性	陰　性
ペプシノーゲン検査	陰　性	陰　性	陽　性	陽　性
判　定	正　常	異　常	異　常	異　常
ピロリ菌除菌	不　要	必　要	必　要	必　要
全体に占める各群の割合	約 20%	約 50%	約 30%	約 1%
年率の胃がん発生率	約 0%	約 0.1%	約 0.24%	約 1.3%
	ほぼゼロ	1000人に1人	500人に1人	80人に1人
胃の健康度	健康な胃粘膜胃粘膜萎縮の可能性は非常に低い	胃潰瘍に注意少数ながら胃がんの可能性もある。胃粘膜の萎縮がないまたは軽い。	慢性萎縮性胃炎。胃粘膜の萎縮が進んでいる。	胃がんの可能性。胃粘膜の萎縮が進み過ぎピロリ菌が住めずに退却。
その後の管理方法	管理対象から除外	必ずピロリ菌除菌。除菌前後に画像診断	ピロリ菌除菌の徹底。定期的に内視鏡検査	毎年の内視鏡検査